【バックナンバー】Clovertechの海外Martech通信 2023年11月号 | 株式会社クローバーテック

【バックナンバー】Clovertechの海外Martech通信 2023年11月号

弊社COO池上が執筆するメールマガジンを毎月10日頃に発行しています。

購読は無料で、以下ページからご登録いただけます。
https://www.mag2.com/m/0001697378

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Clovertechの海外Martech通信 2023年11月号
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はじめまして!こんにちは。
海外マーケティングソリューションの販売代理店事業を行っているクローバーテックで働いている池上晃平と申します。

日本国内外のデジタルマーケティング技術や事例について日々情報収集を行う中で得られた知見を、
幅広く日本のマーケティング担当者様にお伝えできればと思い、メルマガを始めることにしました。

あまり文章はうまくないのですが、毎月頑張って書いていきたいので、最後までお読みいただけると嬉しいです!

【今月のTopix】
1. メルマガ創刊の経緯
2. 東南アジアの市場環境とTech Week Singapore

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■□1 – メルマガ創刊の経緯
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私が鳥山に誘われてクローバーテックにジョインしてから、約2年間が経ちました。私はその前には約10年間、いくつかの広告代理店で、顧客企業にデジタル広告戦略を提案・実行する”広告プランナー”の仕事をやっていました。企業向けデジタルマーケティングについては、それなりに経験を積んできたつもりでした。そんな私がこのメルマガを始めようと思ったのは、クローバーテックにジョインした2年間で、「日本と国外のデジタルマーケティング環境がこんなに違うのか!」と痛感した出来事があったからです。

クローバーテックは、日本国外(主に北米、欧州、東アジア)で流行しつつあるSaaSマーケティングソリューションの日本国内販売権を取得し、日本国内で販売することを主な事業としています。例えば、昨年はCookieFirst( https://cookiefirst.jp/ )、今年はShoplive( https://shoplive.jp/ )の国内販売を開始しました。
その中で私は、営業資料の作成や製品の仕様確認、日本語サイト・マニュアル作成、企業への導入支援などを主に担当しています。日本国外のソリューションは、営業資料やマニュアルがそもそも作られていないケースも多いため、製品がどのように動くのか、どうやって使うべきなのかすらわからないことも多いです。そのため、不慣れな英語で本国の開発メンバーにヒアリングしたり、検証環境で実験して自ら仕様を確認したりするのが私の主な業務となっています。

こういった業務に携わる中で私が「日本と国外のデジタルマーケティング環境の違い」を最も感じたのは、Shopliveの日本国内販売を開始した時でした。
Shopliveは、韓国最大手ファッションECでも導入されている、ライブ・動画コマースソリューションです。ライブコマースという販売手法は、2015年頃に中国でスタートしてから、2020年のコロナウィルスの流行を通じて、世界的に流行しました。今や北米や東アジアでライブコマースで商品を買ったことのある人は7割を超えると言われており、流行を超えてスタンダードな商品購入の手段になりつつあると言えます。ライブコマースのケーススタディや、売上を伸ばすためのノウハウも世界中に溢れています。

このような世界的なトレンドがある中で、なぜか日本企業だけがライブコマースを積極的に活用できておらず、目立った成功事例も作れていません。もちろん、日本企業には日本企業の事情(かつて失敗したから、店頭売上の方が大切だから、無料インスタライブで十分…)があるのも理解はしているのですが、世界的に流行しつつある手法を真似してやってみる、くらいのチャレンジはしてもいいんじゃないかと思っています。
最近日本国内で広告代理店が開催されていたライブコマースのセミナーでも「ライブコマースで物を売るのは難しいので、あきらめよう」的な論旨で進められていて、世界的なトレンドとのギャップを感じました。日本企業のマーケティング担当者は、日本国内の事例だけを見るのではなく、海外の事例やノウハウをもっと調べて、自社のマーケティングに取り入れてみるべきだと強く感じました。

「日本と国外のデジタルマーケティング環境の違い」を感じたもう一つの経験は、海外のマーケティングソリューションベンダーの日本企業に対する姿勢です。
弊社クローバーテックでは、新しいソリューション発掘と買い付けのために毎年何度か海外の展示会に参加しており、つい先月もシンガポールに行ってきました。イベントの中で出会った何社かのソリューションベンダーに「自社製品を日本で販売することに興味があるか?」と聞いたのですが、いくつかの会社に同じことを回答されました。

「日本は市場規模が大きいから、できることなら販売したい。ただ日本市場は特殊で難しいため、自社で販売するのは諦めている」。

この回答の意図は、日本で海外サービス販売を行っている私にも心当たりがあります。日本企業は、会社の規模に拘わらず、日本でサービスを行っている、日本語でサポートを提供しているソリューションしか導入したがりません。日本のマーケティング担当者は英語を読もうとしない人が多いため、日本語ウェブサイトが用意されていないサービスについては、導入検討の土台にも上がりません(こんなにも機械翻訳が発達しているにも拘わらず!)。
このような状況の中で、まだスタートアップのソリューションベンダーは、コストをかけて日本市場に参入するより、英語でコミュニケーションできるシンガポールや香港、韓国の企業向けに販売する方がよい、と判断する方が自然なことだと思います。

私はソリューションベンダーの「日本市場は特殊で難しいため、販売はあきらめている」という言葉を聞いて、「日本国内のサービスと情報だけでビジネスしている日本企業のデジタルマーケティングは、海外の安くて良い製品にアクセスできず、シンプルにめちゃくちゃ損しているのではないか」と改めて考えさせられました。

このような体験の後に私は「海外事例についてもっと知り、自社のマーケティングに生かしたい」と考える挑戦的・意欲的なマーケティング担当者とつながって、私たちの集める情報を伝えたいと思うようになりました。
どんなに良いマーケティングソリューションや、成功事例があっても、それを活用しなければ意味がありません。また私たちがどんなに良い製品を日本で販売しても、それを「使ってみよう!」と思ってくれるマーケティング担当者がいなければ、まったく意味がありません。そこで、よりコミュニティのような形で読者の方とつながることができるメルマガを始めようと思い立ちました。

このメールマガジンは、クローバーテックの営業活動のためではなく、あくまで日本のデジタルマーケティング関係者の役に少しでも立ってくれることを願って、毎月頑張って書いていきます。また私のモチベーションになるので、ご感想やご要望、ご質問などなんでもお待ちしています(そのままメールを返信いただければ私に届きます)。また良いと思ったら、ぜひ周りの方に購読を進めてもらえると嬉しいです。来月もよろしくお願いいたします。

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■□2 – 東南アジアの市場環境とTech Week Singapore
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10月11-12日にシンガポールのMarina Bay Sands(3本のビルの上に船が乗ってるあのホテル)のコンベンションセンターで開催されました。会場では、E-Commerce、BIG DATA、AIなど様々な分野のASEAN、北米の企業500社近くがブースを出展している他、各分野の最新事例を発表するカンファレンスが複数会場で行われていました。(会場全体では大規模な展示会なのですが、弊社が代理販売を行えそうなE-Commerceの企業は70社程度で、過去に参加してきた展示会と比べるとやや小ぶりかな、という印象でした。)

シンガポールをはじめとする東南アジアは、過去10年間で高いGDP成長率を記録したのち、2015年のASEAN経済共同体(AEC)発足により地域内の経済統合が進められました。その結果、今や平均所得は上昇し、消費者のニーズも多様化しています。そのような中で、基本的なニーズを満たすためだけの製品ではなく、付加価値のある製品が求められるようになっていきているそうです。(日本と全く同じように。)

カンファレンスの中でシンガポールのいくつかのブランドの経営者が、自身の企業のマーケティングについて語ってくれたのですが、口々にブランディングや顧客データ活用の重要性について語っており、日本における状況とそう大きく変わりないかなと感じました。

ただ、日本のブランドとの大きな違いとして「売上拡大のためには、複数の他国に出ていかなきゃいけない」という前提があるなと感じました。シンガポールの人口は約600万人で、都市圏としての横浜と同じくらいの小さな国家です。そのため、成功したブランドが売上を増やすためには、国を跨いでビジネスを展開することが前提になってきます。

シンガポールのビジネスが、インドネシアやマレーシアなど他の地域に拡大する際には、当然ですが各国の言語、通貨、商習慣に合わせる必要があります。日本が越境サイトを用意する際には、せいぜい1-2地域への対応になることが多いと思うのですが、
シンガポールのビジネスでは、ASEAN各国の決済や配送に対応した多国籍対応のソリューションが数多く用意しているソリューションの導入が進んでいるようでした。

また同様の前提のために、「せこせこCVRを上げる施策をやるよりも、ブランディングだけ注力して、まずは多国籍展開して売っていこう」という意識が(日本と比べて)強いと感じました。例えばAIのマーケティング活用にしても、業務効率化やCVR改善ではなく、より精細な多言語化対応や、地域の習慣に合わせたマーケティングのために活用している事例が数多く紹介されていたように感じます。

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最後までお読みいただきありがとうございました!
次回の発行は、翌月10日頃を予定しています。

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