【バックナンバー】Clovertechの海外Martech通信 2024年2月号 : WebサイトのCookie同意管理ヤバすぎ問題

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 Clovertechの海外Martech通信 2024年2月号: : WebサイトのCookie同意管理ヤバすぎ問題
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お久しぶりです。池上晃平です。
メルマガを創刊しておきながら、年の瀬の忙しさにかまけて、
すっかり間が空いてしまいました。
今月からまた発行していきます!!!

【今月のTopix】
1. 日本のWebサイトのCookie同意管理ヤバすぎ問題
2. AI時代の英語勉強法

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■□1 – 日本のWebサイトのCookie同意管理ヤバすぎ問題
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弊社CookieFirstチームに新入社員の片野が入ったので、私の復習も兼ねて、Webサービスでの個人データ保護の最近の動きと、私が感じている日本における問題点について書かせていただきます。

弊社では、2021年からCookieFirstというオランダのCookie同意管理ツールを販売しています。
そもそも日本で個人のデジタルデータ保護の機運が高まったのは、就活サイト「リクナビ」での”内定辞退率”問題がきっかけです。リクナビが就活生のサイト利用状況を元に、本人の同意なしに内定辞退率を予測し、企業に対して販売していたことが2019年頃に明るみとなりました。この時に使われていたのがCookieだったのですが、特定の個人を識別することができないCookieは、当時の個人情報保護法の規制の対象外でした。

上記を受けて2023年に個人情報保護法が改正され、Webサービスなどが取得したユーザーデータの内容や目的を通知・公表することや、他の情報と組み合わせると個人が特定可能な”個人関連情報”を第三者に提供する場合は、ユーザー本人の同意を取得することなどが明記されました。またこれに合わせて2023年6月には、電気通信事業法も改正されました。

この2つの法改正を受けて、日本のWebサービスでも、初回訪問時にポップアップを表示し、Cookie利用についての同意を求める企業が増えてきました。実は、日本の法律では、ほとんどのCookie利用についてはユーザー同意取得することは必須ではありません。ただこれを機にGDPR基準の個人データ保護に対応しようということで、OneTrustや弊社が扱うCookieFirstなど有償のCookie同意管理ツール(CMPツール)を導入して、Cookie利用のユーザー同意を取得しようとする日本企業が多く出てきました。

ただ問題なのが、これらのCMPツールを正しく運用できていない日本企業が多く、ユーザーに対して虚偽の通知をしているサイトが存在することです。
CMPツールは、サイト来訪時にユーザーがCookieの利用に同意するかを確認し、ユーザーごとに同意情報を細かく管理することができるツールです。そして多くの人が勘違いをしているのですが、CMPツールが行えるのは同意情報の管理だけで、Cookieを付与しない設定や、個人データの取得を停止する設定はサイト側で個別に行う必要があります。これは世界シェアNo.1のOneTrustというツールでも同様です。

つまり、CMPツールを導入した企業は、広告計測タグや、マーケティングツールのタグなどをサイトに新たに設置する度に、CMPツールの同意状況に合わせてそれらを制御する設定をし続けなければならないのです。そうしなければ、仮にユーザーが広告Cookieを拒否したとしても、新しく設置した広告タグはそのユーザーにCookieを付与し続けることになってしまいます。これはユーザーの個人データ取得について虚偽の説明をしている状態であり、個人情報保護法を違反している可能性が高いです。

CMPツールを導入している日本企業のサイトをチェックすると、上記のような個人情報保護法違反状態のWebサイトが本当に多く存在します(私の体感では、CMPツールを導入している半分以上のWebサービスはこの状態。)。ユーザーに対して虚偽の説明をしているという点では、CMPツールを導入する前よりも悪い状態なんじゃないかと思えるほどです。

このような事象は、今はあまり注目されてはいませんが、サイトを利用するユーザーに対して不誠実だと思いますし、今後大きな問題に発展する可能性もあります。今CMPツールを利用している企業は、正しく運用を行えない場合は、CMPツールの利用を中止し、より簡易的な方法でユーザーに通知・公表することを検討すべきだと私は思います。

また上記のような状況を踏まえてクローバーテックでは、2月よりCookieFirst利用企業様向けに、Webサイトが法律違反状態になっていないかを月1回チェックするサービスを開始しました。(上述の新入社員にやってもらう予定です。)このメルマガの読者の方であれば、CookieFirstを使っていない企業様の相談も受け付けておりますので、ぜひご相談ください。

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■□2 – AI時代の英語勉強法
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クローバーテックの仕事をしはじめてから英語を使う機会が増えたので、大学生ぶりに英語を本格的に勉強しています。
実は私が大学卒業した約10年前にもTOEICで895点(リスニングは満点!)とるくらいにはしっかり勉強していたのですが、AIによって英語学習が格段に進めやすくなったなと感じています。

英語を勉強する際に、今使われている”生の英語”に触れることはすごく大切だと思います。10年前に生の英語に触れられるのは、最新の海外映画やドラマを見るくらいしかなかったのですが、今は大量のYouTubeやPodCastを簡単に探すことができます。私はAIを使って、これらの”生の英語”でオリジナルの学習教材を作っています。

またもっと良い学習方法があれば、ぜひメルマガに返信する形で教えてください!

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【AIを使った生の英語勉強法】

■Step1 – “生の英語”の音源を、Otter AIで文字起こし

私はデジタルマーケティング関連の最新情報を英語で摂取できるようになりたいので、
TechCrunchのPodcastを教材として使っています。
https://podcasts.apple.com/us/podcast/techcrunch-daily-crunch/id1454680607

ダウンロードしたMP3ファイルをOtter AIに文字起こししてもらうと、ほぼ間違いのないPodcastのスクリプトが完成します。

■Step2 – スクリプトをChatGPTに取り込んで、文章を整形

Otter AIでは、たまに聞き間違いが発生したり、カンマやピリオドが打たれていない文章になったりします。
ChatGPTに「以下のテキストを読みやすいように文章の区切りと改行を入れてください。また、もし誤字などがあれば訂正してください。」と命令すると、読みやすくて理解しやすい文章に整形されます。

■Step3 – わからない単語や文章をChatGPTに質問攻めにする

ChatGPTは辞書の代わりもしてくれます。意味がわからない単語や文章については、「~の意味を詳しく解説して」というと、文脈に沿って文章の意味を解説してくれます。また用例と一緒に意味を聞くことで、細かい意味の違いを知ることもできます。

例えば「As of Thursday」(木曜日から)の意味を詳しく知りたい際には、以下のようなプロンプトを投げます。

Q : As of Thursdayと、Since Thursdayは何が違いますか。用例と一緒に教えてください。

すると、As ofはその日を起点に現在の状況を表す(どちらかというと未来の話)のに対して、Sinceはその日から現在までの期間(どちらかというと過去の話)を示す、ということを用例とともに教えてくれます。

■Step4 – 聞き流して意味が理解できるまでリスニング・シャドーイングを繰り返す

後はAIに頼らず、ひたすらヒアリングの練習です。ChatGPTの会話を見直せば、すべてのわからない単語やフレーズの解説が載っているので、ヒアリングしてわからない箇所はChatGPTを見れば解決します。

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最後までお読みいただきありがとうございました!
次回の発行は、翌月10日頃を予定しています。

来月は弊社代表鳥山のコーナーも設けたいですね。

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