マイクロコンバージョンとは?どれに注目すべき?|SaleCycleブログ
本稿ではマイクロコンバージョン、及びこれが顧客動向分析の視野を広げる理由や、観測すべきいくつかの例をご紹介します。
「マイクロコンバージョン」とは、貴社サイト上でユーザーが起こす細かなアクションのことです。これはメイン(マクロ)コンバージョン目標に向かう段階として見ることができ、消費者がどのように貴社のサイトとエンゲージしているかのインサイトを提供します。
マクロコンバージョンとマイクロコンバージョン
マクロコンバージョン
「マクロコンバージョン」とは、サイトの主な目標です。リテーラーの場合は売り上げになります。SaleCycleを含む他のサイトにとっては、問い合わせや体験版申し込みがこれに当たります。
全ての業種に言える共通点は、マクロコンバージョンが、瞬時に、もしくは短期的な売り上げの高いポテンシャルを持ち、サイトの収益に大きく影響する点です。
マイクロコンバージョン
Nielsen Norman GroupのJennifer Cardelloはマイクロコンバージョンを2つのカテゴリーに分けることで、それぞれが分析しやすくなるといっています。
- マイルストーンの処理。これはマクロコンバージョンに向けて踏んでいくステップです。例えば、消費者による商品ページ・動画の閲覧や、ウィッシュリストへの商品追加など。
- 関節的なアクション。これはコンバージョンに直結するものではありませんが、サイトに対する興味やエンゲージメントを示すものです。
以下はマイクロコンバージョンの例です:
- Eメールニュースレター受信登録
- サイトのブラウジング、閲覧されたページ数など
- 記事へのコメント
- チェックアウトに向けたステップ – カートに追加、商品ページ閲覧、など
- 動画再生
- ソーシャルメディアでシェアされたコンテンツ
- Eブックのダウンロード
マイクロコンバージョンを観測する理由とは?
ほとんどのサイトでは、閲覧者の多くが購入を完了しなかったり体験版の請求をしないため、マクロコンバージョンには繋がっていません。
これはトラフィックが無価値だということではなく、マイクロコンバージョンに注目することでこの情報を活用することが可能になります。
例えば、リテーラーがEメール受信登録の呼びかけを強化したり、より効果的な箇所に配置したとします。このアクションは直ぐに売り上げを伸ばすものではありませんが、Eメールリストにより多くの興味を持った消費者を取り込むことは長期的な売り上げ増加に繋がります。
SaleCycleの例を見てみましょう。当社は問い合わせや製品体験版の請求などのマクロコンバージョンをトラックしています。
これらは我々のボトムラインに影響する主な目標ですが、コンバートするまでに何回かサイトに訪れる消費者がいること、そして多くはコンバートしないことを把握しています。
しかしこれらのトラフィックが無意味というわけではありません。閲覧者が記事を読んだ後にソーシャルメディアでシェアすれば、当社ブランドの知名度が上がることになります。月刊ニュースレターに登録すれば、興味を持っており、将来的な売り上げに繋がる可能性があります。
この目標へのプロポーションが高ければ、またはトレンドが正しい方向を向いていれば、我々が提供しているコンテンツが閲覧者を惹きつけており、そしてサイトのレイアウト、ナビゲーションや関連レコメンデーションが仕事をしている、ということになります。
また、マイクロコンバージョンのトラッキングは顧客体験を把握する手段でもあります。当社のようなB2Bサイトでは、サイトを開き、購入ボタンをクリックし、直ぐにカード情報を入力する者は一人もいません。取り扱う商品が、たくさんの情報や相談を要する、より長く慎重な買い物だからです。
他のB2Bサイト同様、当社サイトの目的はただ商品を販売するだけではなく、リピーター・新規顧客問わず、重要な情報を閲覧者に提供することも含みます。そのために、製品やサービスの仕組みに関する情報を提供したり、業種についての情報も共有するよう心掛けています。
以下はマイクロコンバージョンをトラックする他のメリットです:
- 貴社サイトのパフォーマンスをより広い視野で見ることができ、マクロコンバージョンだけではわからない、消費者がサイトをどのように利用しているのかを教えてくれます。
- コンバージョンレート最適化のための重要分野を特定します。
- チャンネルを跨ぐトラッキングを可能にします。閲覧者はどのソーシャルチャンネルでコンテンツをシェアしているか?マイクロコンバージョンに繋がるトラフィック源はどれか?など。
マイクロコンバージョンのトラック方法
重要なマイクロコンバージョンの種類はサイトの種類によって変わるので、まずゴールを明確にすることが大事です。
マイクロコンバージョンのトラック方法はいくつかありますが、ここではGoogle Analyticsを用いたゴールトラッキングの例をご紹介します。
Google Analyticsでは、マイクロコンバージョンを計測する「ゴール」を設定でき、この例ではEメールサインアップとします。これはGoogle Analyticsアカウントの「管理」タブの中にあります(Googleヘルプはこちら)。
Eメールサインアップ後に表示されるURL(「ご登録ありがとうございます」といった文面を表示するページ)がある場合は、ここにアクセスするのはEメールに登録したユーザーに限られるので、このページをゴールページとして設定することができます。
また、それぞれのゴールに目標値を付けることもできます。ここで挙がる質問が、「Eメールアドレスの単価はどれくらい?」です。
正しいデータがあれば答えは単純です。例えば、Eメールサインアップのうち5%が購入に繋がり、そしてトランザクションの平均価値が$100の場合、このマイクロコンバージョンの価値は$5になります。
設定が完了したゴールは、GAの「コンバージョン」メニュー内の「レポート」セクションで確認できます。
これらのゴールは、貴社サイトでどれほどのマイクロコンバージョンが発生したかを教えてくれます。他の統計との照合・比較を通じて、どのトラフィックソース、または単独キャンペーンがマイクロコンバージョンにおいて最も効果的かどうか、など把握することができます。
詳しくは、こちらのトラックすべきマイクロコンバージョンの例や、GAゴールファンネル視点のマイクロコンバージョンをご覧ください。
まとめ
マクロコンバージョンはもちろんとても重要ですが、マイクロコンバージョンと並行して計測することで、貴社サイト上の閲覧者の動きをより広い視野で見ることができます。
見逃しがちなインサイトを掴むこともできます。例えば、ショッピングカートに追加されたアイテムの数をトラックしていて、売り上げに繋がる「カートに追加」の割合を把握している場合、このパターンが変化した時期が見えるようになり、購入ファンネル内の問題対応が可能になります。
Avinash Kaushikによると、マイクロコンバージョンのトラッキングは、アナリストやマーケターにとっては成長材料になります。「計測の水平線」を拡大し、消費者がどのようにサイトを利用しているかのより広い視野を持つようになり、顧客体験の中でマイクロコンバージョンが活きる箇所の把握に繋がります。