オンラインリテールの参考になるAmazonの8つの戦略|SaleCycleブログ | 株式会社クローバーテック

オンラインリテールの参考になるAmazonの8つの戦略|SaleCycleブログ

今年3月中旬の調査結果によると、消費者の86%がAmazonを利用しており、うち大半がサイト上でショッピングを始めています。

Amazonの成功を参考に、他のオンラインリテーラーが取り入れられるいくつかの戦略をご紹介します。

リピート率と保持

Mintelの調査によると、イギリスの消費者の39%がAmazonへのアクセスを持っており、うち26%が会員で、残りの13%は他人のアカウントを用いて商品を注文しています。

Amazonは保持率と顧客生涯価値を上げるために様々な工夫をしていますが、中でもPrimeアカウントが大きな要因です。

CIRPによると、Amazon Primeの30日間無料体験終了時の保持率は90%を超えています(終了前は約70%です)。

Primeは他社以上の無料・素早い配送を提供することで継続を促すと共に、支払い方法の保存によってチェックアウトがよりスムーズになり、購入が簡略化されます。

カスタマーサービスへの注力

Amazonは初期の段階で良質なカスタマーサービスの重要性に気づき、消費者の疑問や要望によく応えられている傾向があります。

良質なサービスは顧客満足度の上昇・ブランドの奨励に直結し、反対に悪いサービスは低いレビューや顧客満足度の低下に繋がります。

良質なサービスのカギは、問題に素早く対応し解決することです。コンタクトを容易に取れる環境の構築と、スタッフの問題対応技術が必要になります。

より基礎的な要素としては、顧客満足度が成功のカギだと知るAmazonは戦略の中心に顧客を置いています。

時にAmazonはこの例のように返品すら要求しないこともあります。顧客の労力・時間を削らない良い工夫です。

このカスタマーサービスへの注力は、CEOのJeff Bezosが自身のEメールアドレスを公開していることにも反映されており、顧客が直接連絡を取ることを可能にしています。

そしてCEOはこれらのクレームや要望を担当部署に転送し、「?」の1文字を付け加えます。その後は素早く対応されることでしょう。

パーソナライゼーション

Amazonは顧客から購入やブラウジング傾向などの膨大なデータを収集し、商品・カテゴリのレコメンデーションを提供する際に積極的に活用しています。

パーソナライゼーションはEメールマーケティングに始まり色んな箇所で活用されており、Amazonのログイン中のホームページは効果的なレコメンデーションを提供しています。

消費者はサイトにアクセスした途端に名指しで歓迎され、Amazonは顧客のアカウント情報やショッピングカート等へのリンクを設置しています。

加えて、トップ商品カテゴリや動画、そして他の商品レコメンデーションもページをスクロールするにつれて表示されます。

この工夫は、ホームページの50%~60%が顧客のサイト閲覧動向に基づくレコメンデーションで構成されることになります。

価格設定

Mintelの調査によると、消費者の51%はAmazonが最安値を提供していると信じており、この風潮はAmazonにとって重要です。

他社よりも安いというイメージが定着しており、これによってAmazonは値段を気にする消費者の行き先となっています。

また、他社にとっては痛いですが、Amazonは価格比較の主な参考にもなっています。

この最安値のイメージは、精査によって覆されました。最近の調査結果によると、Amazonは他オンラインリテーラーと比べ、価格においてあまり優位には立っていません。

Amazonが実施している工夫とは、まずサイト上で最も人気な商品や、季節毎の人気商品を把握し、これらの商品の価格調整に尽力しています。

これらの商品が最も頻繁に検索されるものであり、Amazonが安いというイメージを定着させています。

他にも色んな工夫があります。例えば、ベストセラーのテレビは他社と比べ低価格なのに対し、スピーカーなどの主要アクセサリは比較的高価な場合もあります。

以上から学べること。それは、Amazonとは価格競争をしないことです。これは収益マージンを脅かす戦略になり得るからです。

代わりに、厳選されたスマートな価格設定の徹底により、Amazonなどのライバル社との過度な競争を避け、消費者を貴社のサイトに惹きつけることができます。

焦らせるテクニック

緊急性・焦りを上手く使えば、有用な情報を提供し、消費者の購買選択を早めることができます。

例えば、発送期限の情報は、消費者が誕生日などのイベントに品物が間に合わなくなる事態を避けるために活用できます。

Amazonの配送関連のメッセージングはこのテクニックの良い例です。顧客に商品が明日中に届く旨と、オーダーのカウントダウンタイマーを表示しています。

レビューの活用

レビューは1995年にAmazonが初めて導入し、成功のカギとなりました。

MarketingProfsによると、消費者の63%は評価やレビューを含むサイトのほうが購入しやすい傾向にあります。

レビューそのものにも効果はありますが、Amazonはこれを消費者にとって更に便利なツールにするため、そして膨大な数のレビューを整理するための参考になります。

540件のレビューを全て読む人など存在しませんが、平均レビュースコア、レビュースコアの分布図、主要評価項目の厳選などにより、消費者が必要な情報を提供しています。

配送

Amazonは年月をかけて配送サービスを完成へと近づけ、配送の自由度や速さにおいて消費者の期待を変貌させることを成し遂げました。

数年前は、Eコマース配達スピードは比較的普通でした – 多くのサイトは日毎に3~4個の配送時間を設けていました。

今では、消費者の配送時間に対する期待度は最高で、これはAlixaによるとAmazon Primeの影響がありました。

送料が無料の場合でも、消費者は比較的迅速な配達を求め、Amazon Prime会員はこの傾向がより高くなっています。

消費者は様々なEコマース配達オプションを求めています。無料・安いオプションを求める者もいれば、早急に商品を受け取るためには出費を惜しまない消費者もいます。Amazonはこの選択肢を提供しています。

素早いチェックアウト

そして、Amazonでは、特にPrime会員にとっては、チェックアウトのスピードや単純さがリピート購入がとても容易です。

新規の消費者にとっては、Amazonはアカウント作成を強要するため、他社サイトほど簡単ではありません。

Amazonは登録会員への販売収益がこのステージで起こり得るロスを上回ると読んでいるようで、消費者の会員登録に尽力しています。

一度情報を保存してしまえば、そしてあわよくばPrime入会も済ませれば、商品選択から購入完了までがたったの2~3クリックで終わり、購入がとても容易になります。

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